自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

人事部との付き合い方

会社の人事部は誰のためにある?

会社の人事部の役割と聞かれると、どう答えればいいでしょうか?経営関連の教科書をみると、「人事とは、人材に関するあらゆる業務を包括し、主な業務は人材採用、教育研修、人事制度の策定、人材配置・昇進昇格決定等多岐にわたる」とあります。ですが、いつの間にか、人事に関する全般を取り扱い”従業員のために”機能する部門、だと思い込んでいたりしませんか?

 

会社は誰のものかという議論の答えが立場や思想によって様々ですが、実社会を見渡せば、ステークホルダー(利害関係者)の間には否定しがたい従業員は下位に序列される現実があります。そのため、従業員を手助けするために設けられている部門というよりは、日々起こる社員に関係する難題から会社を守ることを重視している部門だということを忘れてはいけません。

 

会社のため良かれと思って?

日々の業務の現場で発生するような、上司との間の人間関係といった問題などを、従業員の味方だと思い頼りにした結果、大変なことになってしまった例もあります。

 

大手メーカーでマーケティングに従事していたKさんは、優柔不断な上司Eさんとの関係に悩んでいました。以前は営業にいたのですが、業績改善プログラム(PIP:Perfomance Improvement Program)に指名されたのですが、マーケティングにポジションの空きがあることを見つけ、Eさんに窮地を救ってもらったのです。しかし、Eさんの無責任さや、自身に対する成果評価も低いことから、再びPIPに指名される前に、社内異動で製品部門のプロダクトマネージャー(製品担当)に異動しようと動き始めていました。

 

移動先の上司になる製品部門のマネージャーTさんとは、すでに話がついており、事務手続き含めて人事に異動したい旨相談しました。人事面談はあっさりと終わり、後は事務処理が終わるのを待つだけと思っていたところ、Tさんより連絡が入ります。

 

「人事から、Kさんを採るのはやめておけと言われた。人事は、上(Tさんの上司)には、KさんがPIP経験者だから止めとけと言ってるみたいだ」

 

Kさんは、なぜ人事からPIPの話が持ち出されるのか?耳を疑いました。人事担当者に真偽を問い合わせるも、言っていないの一点張り。異動先も、もめごとに巻き込まれたくないため、Kさんの異動をなんとか実現するほどインセンティブが働かず、結局Kさんの異動話は、人事につぶされてしまったのでした。

 

Kさんは、人事部は従業員のためにあると思い込んでいたことに敗因があったと語ります。人事に相談するのは、部門の現場で、役員まで巻き込んで絶対に異動が確定し、人事がNOと言えない状況にしてから、持っていくべきだったと反省しています。

 

人事担当者は、優秀な人材を製品部門に紹介するのが使命だと思い、PIP経験者であることを、あえて部門に伝えたのかもしれません。今となっては、真実はわかりませんが、自身が人事部と接する際には、人事部は会社を守ることを重視していることを頭のどこかで意識しておくようにしましょう。

 

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