自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

退職強要プログラム??

 

 

先日のエントリーで

 

解雇と訴訟 - 自分ブランドの磨き方ブログ

 

を書きました。エントリーでは、同僚のNさんが業績改善プログラム(PIP:Perfomance Improvement Program)に指名された経緯や結果についてお話しました。そこで今日は、日本企業にお勤めの方には馴染みの薄いPIPについて、少しお話しておきたいと思います。

 

会社組織に属していると、どうしても、業績が悪く、会社が期待するパフォーマンスを上げることができない社員が出てきてしまいます。外資系では彼らをローパフォーマーと呼び、彼らの業績がさらに悪化するのを食い止め、彼らのパフォーマンスを改善するため、共に考え、共に行動するために、業績改善プログラム(PIP:Perfomance Improvement Program)が導入されています。非常に前向きな目的のために作られ、運用されているものです。

 

しかしながら、その実態は、毎週人事担当者を交えた業績進捗報告の義務付けや、PIPに指名され業績が改善しなかった場合に、自主退職に応じる旨が記載された書面にサインを求められるなど、「?」と思われる手続きがあります。たしかに、業績改善であれば、直属の上司と緊密に連携し相談すればよいですし、人事担当者が介入する必要がありません。そもそも業績改善が目的なのに、なぜ退職が前提になっているのでしょうか。

 

ご想像のとおり、残念ながらPIPは、会社がその社員の業績を改善させるために取り組むためのものというよりは、ほぼ解雇が見えている社員との間に、後々面倒なことにならないため、書面にサインさせることで、会社にとって今後起こりえる様々なリスクを軽減することが主な目的になってしまっています。また、PIPに指名された社員は、プログラムを通して業務に関係する行動のすべてをモニタリングされており、まさに解雇を正当化するための情報集めをしているとさえいわれています。

 

そのため、一度PIPにノミネーションされてしまうと、大半の方はあきらめて転職先を探し始めるか、なぜ自分が指名されたことを不服として会社を訴えるか、が主な選択肢となってしまっています。

 

ここまで読まれて、PIPに対して絶望的なイメージをもたれた方もいるかもしれません。しかしながら、すべての企業がPIPをこのように運用しているわけではありません。私の知る方で、PIPに指名された瞬間から、なぜ業績が上がらなかったのか徹底的に分析、自らを見つめなおし個々の行動を改めたことで、その半期にトップの成績をあげ、PIP脱出どころか、そのまま昇進された方もいます。

 

外資系のリストラ報道では、PIPのネガティブな部分に焦点があたり、ブラック度ばかりが報道されてしまっています。

www.huffingtonpost.jp

 

報道に惑わされず、自分が所属企業(応募先企業)がどのようにPIPを運用しているかを正確把握し、対策を講じることは、外資系で勤める以上必須であると言えるでしょう。