自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

優先席譲れ 高齢者と若者の口論

優先席を譲れ、譲らないで口論となり、その様子を撮った映像がネットにアップされています。ネット上では、その高齢者の高圧的な態度や、プライバシーを無視し動画をアップした若者、双方に批判や擁護の論争が繰り広げられています。

 

確かにこの映像だけ見ると、この高齢男性の態度もどうかと思いますが、前後のやりとりはアップした若者側で都合良く編集できることも考えられ、これも前後の背景わからないケースであります。

 

「近頃の若者は」と昔から言われ続けてきましたが、今や若者ばかりではなく、高齢者のちょっと困った変化も注目されています。週間東洋経済2016年3/19号特集「キレる老人」では

・日本は4人に1人は高齢者の超高齢化社会となり
・鉄道係員に対する暴力行為の件数では、高齢者が5年連続でトップ
・病院職員に対する暴力でも60代以上割合が増加
・高齢者の犯罪のうち、一般刑法犯の検挙数は、65歳以上は4.7万人(14歳~19歳に次ぐ水準)

などなど、昔教わった大切にしなければならないお年寄りはどこ行ったの?というくらいの数字が並びます。

 

さらに、これらの背景として、
・社会一般的に、権利ばかり主張する高齢者の増加
脳科学の観点から高齢になると前頭葉の機能低下に伴い、感情の抑制機能が低下し、理性のタガが外れやすくなってしまう
・心理学の観点から、高齢者に伴う喪失体験が刺激され、それが攻撃性の引き金を引く

などなど様々な観点から分析がなされています。

 

以前経済的な観点でいうと、年金・医療問題に絡み高齢者雇用の義務付けが若者の雇用を奪うという研究の存在について書きました。若者にしてみれば、高齢者に搾取されているという感覚が想像以上に強いのかもしれません。

 

ki44fukushima.hatenablog.com

 

私もある手術を受けたばかりだったころ高齢のご婦人に席を譲って欲しいと言われたことがあります。病み上がりを押した週末土曜日にかかる出張帰り。メスを入れた部位は防水テープで塞いでいるだけで、案の定歩くたびに激痛と血が滲み出て来ていました。

 

立っていられず、始発駅だったこともあり電車を一本見送り、最短の優先席に座りました。週末10時ごろだったでしょうか。発車前の車内は多くの行楽帰りの乗客でごった返していました。そこに高齢のご婦人二人組が乗車してきました。隣の若い女性が気付き席を譲ったので、連れのもう1人立ちながら、「今日は楽しかったわねー。遊びすぎて疲れちゃった。はぁ(疲れた)」と溜息を交えながら話していました。

 

そして患部を押さえうつむいていた私にこう言いました。「あのーちょっといいですか、席を譲って頂けますか?疲れちゃったので」と言われました。事情をお話して申し訳ない旨お伝えしたのですが、そのときのご婦人の疑いに満ちた嫌な顔を今でもを覚えています(タクシーで帰ればよかったと後悔もしました)。

 

当時痛みでそれどころではなく頭が働いていなかったのですが、もし、今の若者のように、搾取されていると感じながら、目の前の高齢者から、「遊びで疲れたので席を譲れ」と言われたら、快く席を譲ることができたでしょうか?

 

今回も詳細がわからないのですが、社会が今のままである以上、若者と高齢者の互いの権利主張の暴走に出くわすことはこれからも出てくると思います。彼ら同士の争いだけではなく、我々が巻き込まれる可能性も十分あります。我々が取れる自衛手段としては、些細なことでキャリアを台無しにされないよう、冷静でいる、近づかない、社外では極度な自尊心を控えるなどの努力などぐらいしか、残念ながら今はないのかもしれません。