優秀じゃないのに出世する人
優秀なのに解雇される人がいる一方で、「あれ?」と思うくらいのパフォーマンスでも本部長や部長といった要職で中途入社されてくる人がいるのもまた、外資系の不思議なところだったりします。
近頃のビジネス誌では、海外有名ビジネススクールでMBAを取り、プロフェッショナルマネージャーと呼ばれ、記事に取り上げられている方も多くいらっしゃいます。全ての方がそうではありませんが、その中には「あれ?」というパフォーマンスの方もおられるようです。あるIT業界のお勤めの方からお聞きした話では、メディアなどにもたびたび登場する、ある企業の名物マネージャーの方の業界内での評判は「彼の仕事は何もしないことが仕事」と言われているくらいだとか。
それでは、なぜそのような方々が、有名外資系企業の採用選抜をくぐり抜けて、要職に就くことができたのでしょうか?
あえて理由を伏せて、皆さんにお聞きしたところ、皆に共通するのは、面接や履歴書(レジュメ)で駆使する英語がとても洗練されていることでした。
日本企業、外資系企業問わず、役職が上がれば上がるほど、十数回にも及ぶ外国人との面接や、推薦者のヒアリングなど内定に至るまでには想像を絶するハードルを越えなければなりません。その面接も書店に並ぶ、英語面接本で書かれているような
・自分の長所を上げてください
という問いに、定型文で答えるレベルの質問ではありません。
・今ウチの会社のビジネスの落ち込みの状況はこうだ。6か月でプラスマイナスゼロに、12か月で50%以上成長させるためのシナリオを君ならどうするか教えてくれ
という、マッキンゼーやボストンコンサルティングの戦略コンサルティングの面接試験レベルの内容が問われます。そのような質問に、それほど優秀じゃないのに要職についている方々(失礼!)は、「教養のあるネイティブが使う洗練された表現や語句のチョイスし、大体皆同じような回答をするなかで差別化を図る」のだそうです。面接官が、日本人しては流暢な英語で答えることができる候補者に飽き飽きしているところに、自分は一味もふた味も違うという印象を与え、抜きんでることができると言います。
具体的にどのようなことをしているかというと、海外のビジネススクールで読むことを勧められる
Perfect phrases for managers & supervisors
Meryl Runion (著) McGraw-Hill Education
のようなフレーズ集で、部下の動機づけ、チームの結束を高めたり、上司になるであろう外国人上司にあえて意見を言う場面、あるいは上の人から適切な支援を受けるための言い回しや場面場面に応じた最適な表現を絶えずインプットするように心がけているそうです。
またアウトプットとなる英会話も、模擬面接に特化した形で実施し、米国大手企業での勤務、マネージャー経験を持つインストラクターから直接指導を受けるなど、見えない努力をされているようです。こうすることで、書店に並ぶ、英語面接本では知ることができな外国人受けするフレーズを体にしみこませることで自然と面接をクリアする基礎体力を身につけているのですね。
ここまで、高収入となる役職のポジションを得るための努力を共有してきました。ただ、冒頭にあるように何とか面接をクリアし入社できた後には周囲からの評価が待っています。実力を磨きつつ上記を早い段階で心がけることで、優秀で出世する人として活躍できるように努力したいものです。