年収増につながらない?MBA
MBA卒業生の集まりがあり出席すると、留学時代の話が咲くというよりも、自分のいまの仕事に関係する人を見つけようとするネットワーキングが活発に行われています。さらに、その会話の中には、他人と比較して自分の位置がどうなのかといったベンチマークがひっそりと行われています。とくに、自分の年収が仕事に内容と比較して高いのかといった比較は、自身のキャリアプランの重要な指標となるため、皆関心があるようです。
少し前はMBA留学が、高収入、ハイクラスポジションへの道を開くと考えられていましたが、今も、日本人がリスクをとって2年間のMBA留学をすることで、期待に見合うだけの年収を獲得することができるのでしょうか?
アメリカのメディアであるUS Newsが行っているRanking(2012年)では
上位校
Harvard Business School $142,501
Stanford GSB $140,459
20~40位校
Univ. of Washington (Foster) $110,768
Southern Cal (Marshall) $109,841
となっています。上位校と中位校の違い30,000ドル(300万円)は金融やコンサルティング志望が上位校に多いことが主な原因だと考えられています。また、このデータは卒業時に内定をもらった人からの回答がもとになっています。この数字はスタートラインとなり、MBA卒業生は幹部候補生として採用され、様々な業務と昇進のチャンスが与えられることから、3年目には、30%程度上昇すると言われています。
しかし、近年いろいろな話を整理すると、日本に関しては上記が当てはまらないのです。先日、景気がよいと高めのオファーに注意という投稿をしましたが、
MBA採用を実施している外資系では、ほぼスタートは上記のデータと相異ないのものの、入社後ほとんど昇進はなく、昇給もないというケースが増えてきているようです。外資系ということもあり、本社に対して前年比成長を示す必要があり、その数字捻出のため、従業員の昇給を極限まで減らしたり、場合によっては効率化の名目のもと、組織の階層構造をフラットにして、管理職ポジションを削減しているからと言われています。
少し前に、コンサルタントの小宮一慶氏が、PRESIDENT OnlineにJapan is Cheapという投稿をされていました。
「Japan is cheap」日本人の給料が破格に安いという認識が企業にはない | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
日本企業に勤めるビジネスマンがは他国のビジネスマンに比べ安く雇われている旨の内容でしたが、今は日本企業だけにではなく、外資系でも実際には安く雇われているということが見受けられるようになってきています。
MBAホルダーであることが、給与や昇給に直接的な効果が薄まりつつある今、自己のブランディングのために必要なのか?知識やスキルを手に入れるためだけならば、国内MBAも選択肢に加えるなど、戦略の転換が必要になりつつあるようです。