自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

日本企業の海外駐在員、外資系の日本駐在員

外資系企業に勤めていると、社長や自分の上司が海外本社から送り込まれた外国人になるということはよくあります。彼らは、日本企業で言うと海外駐在員に該当しますが、日本企業の海外駐在員と働き方、考え方において完全に異なっており、様々な点で我々ビジネスプロフェッショナルに示唆を与えてくれます。

 

私も大手日本企業で駐在員を経験した一人です。自分が駐在員に選ばれるまでは、駐在員は英語はペラペラでなければならない、組織の中で絶対的な実績を上げていなければならないと思っていました。そのため、駐在員に選ばれるために、かなりの努力をしたのを覚えています。

 

しかし、選ばれてみると駐在員の実態は思い描いていたものとは全く違うものでした。頻繁に日本の本社からやってくる役員や部課長レベルの出張者のために、訪問先企業のアポ取り、現地での運転手、さらには連日の飲み会(海外の夜は日本のようなエンターテイメントがない)やゴルフの相手、そして英語が話せない役員の通訳といった雑用の多さに驚きました。もちろん本来のミッションにも取り組んでいましたが、驚くほどに出張が多く、毎週誰かが日本からやってくるのです。

 

では、出張で現地ビジネスが推進されたかというと、準備不足な状態で出張にやってくるのでとても成果を持ち帰ることもできず、結局現地法人が尻拭いすることが大半でした。本社の言い訳は、自分達は遠く離れた時差があり、英語も苦手である。であれば距離的に近い現地に全てを任せておこうと、面倒ごとは現地に全て押し付けるという具合でした。

 

驚いたのは出張者の頻度だけではありません。駐在の上司、同僚達も、海外経験豊富だから駐在に選ばれたわけではなく、単に現地で推進したい事業の部門長やエンジニアだっただけという理由で、現地社長や推進役として送り込まれた人が大半でした。そのため、やはり英語が話せず、現地スタッフと議論することや顧客やパートナー先に行くわけでもなく、ただオフィスに出社して座っているだけ。暇を見つけて日本人同士喫煙所に集まっては現地スタッフの陰口を言っていたことにも衝撃を受けたのでした。

 

私の所属企業はこんな具合でしたが、様々な業種の駐在仲間の所属企業も同じような様子でした。今でも日本企業がグローバル化を唱え、市場拡大を唱えていますが、あまり成功している例は聞きません。むしろ海外支社の統合、廃止が多いのではないでしょうか?

 

これだけだと、キャリアに直接的にプラスになることがなさそうな海外駐在員ですが、唯一の救いは、大手日本企業であれば駐在中の給与は駐在手当や危険地域手当などで2倍〜3倍程度になります。30歳で1500万越えの大手日本企業の駐在員も多数いたくらいです。

 

一方外資系企業の日本駐在員はどうでしょうか?日本がGDP世界第3位に落ちたとはいえ、まだまだ世界経済のなかで重要な位置付けを占めています。この日本支社で成果を上げれば、日本に加えオーストラリアやニュージランド、東南アジアまで含めたアジアパシフィック全体の責任者にプロモーションされる可能性があるのです。

 

そのため、日本の責任者としてアサインされた彼らの仕事対する姿勢や業績に対するコミットメント、日本の海外駐在員もものとは比較になりません。

 

日本人スタッフとのコミュニケーションは当然英語になりますが、大半の日本人社員は英語が話せず、自室のドアを開けていても誰も入ってこない。メンバーに話しかけて質問してみても、ビジネスレベルのディスカッションどころか何を言っているのかわからないと赴任した当初はよく聞きます。

 

彼らが凄いのは数年経てば自国もしくは英語圏に戻れるからそこそこの実績で良いとせず、現実と理想のギャップをあらゆる方法を駆使して埋めようと努力する点です。あるオーストラリア人エグゼクティブは、このように日々日本人部下にフラストレーションを感じながらも、かろうじてマインドフルネスでメンタルを保ちつつ、たった6ヶ月でビジネスレベルの英語を完全にマスターしてしまいました。そのレベルは、某ハーバード卒のアメリカ人タレント顔負けの流暢さ、さらには会話の中で冗談まで盛り込むほどです。

 

働く国は違えども、駐在員としてその国や地域のビジネスを成長させるというゴールは同じです。ただ私の知っている日本企業の海外駐在員と外資系の日本駐在員に違うのは、何をゴールにし、達成するために自分が何をすべきかPDCAを徹底的回す。こんなシンプルなことでその後の自分の人生が大きく変わるのであれば、積極的に取り組んでみたいと思いませんか?