自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

働かない年収1200万プレーヤーのズルい戦略

ビジネスプロフェッショナルにとって年収1000万円を超えることは、自分が成功しているのか一つの目安でもあります。厚生労働省平成28年国民生活基礎調査の概況調査によると、平成27の世帯年収の平均は545.8万円であり、年収1000万円を超えているのは全体の11.7%に過ぎないのです。
 
実力社会、成果重視の外資系企業に勤務することは、自分の努力次第でその11.7%に入ることを可能にします。女性の年収は男性に低いことは様々な調査でも言われていますが、たとえ女性であっても外資系においては成果を上げることで、1000万円はおろか、1200万円も夢ではありません。
 
では、その年収1000万円プレーヤーに求めれれるものとはいったい何なのでしょうか?昨年12月にMyNaviが発表した

年収1,000万円以上の求人が増加 – 求められる能力とは | マイナビニュース

によると
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1位「問題意識に基づき、課題や目標を設定する能力」(58%)、
2位「立場や価値観の違う社内外の関係者同社を調整し、まとめる能力」(42%)、
3位「自分の見解やビジョンを周囲に伝え、動かす能力」(39%)
 
など、いずれも主体的にリーダシップを発揮し、組織やプロジェクトをリードしていくこと、またそのために必要な能力と言えるのではないでしょうか?
 
今日お話する40代・女性のHさんは、2年前に入社した外資系企業で年収1200万円を受け取っています。ところが、Hさんの上司によるとHさんは、上記の年収1000万円プレーヤーに求められるスキル、心構えなどほとんど持ち合わせていないといいます。具体的にいうと
 
・言われたことしかできない
・自分の意見もなく、どんな些細なことも上司にお伺いを立て、自分で決められない
・リスクは取らない
・可能な限り自分に仕事が回ってこないように、ほかのメンバーが最適者だと遠まわしに主張し逃げる
 
などなど、確かに上記アンケート結果とはかけ離れたものです。結婚はしているが子供はおらず、先日から取り上げているワーママモンスターのように時間的制約は無いそうなのですが、基本的に頭が良くないため考えることが苦手、また若いころから他人を利用することばかりしていたことがわかる言動や立ち振る舞いが目立つと言うのをお聞きすると、ワーママモンスターとはまったく異なるタイプのようです。
 
さて、そんなHさんが通常どのように業務を進めているのかもう少し聞いてみると、目標設定、課題設定、そして課題解決のためのアクションなどはすべて上司が言ったことを、後から自分も考えていたと言い出す後出し追従型ということが分かりました。さすがに上司も、具体的なアクションプランについて聞いてみるそうなのですが、まだそこまで深堀できていないと毎回のようにお茶を濁すのだとか。発言全般においても、中身のない薄っぺらい相槌ばかりが多いのが特徴だそうです。
 
お話を伺った上司の方はHさんとまだ1年しか仕事を一緒にしていないそうですが、なぜHさんのようなレベルの人材が1200万円で入社できたのか理解できないと首をかしげます。前任のマネージャーのHさんに対する評価レポートなどを読んでみても、自分と評価を下しており、入社以来5段階評価の2(下から2番目、ちなみにこの会社では1を取るとPerformance Improvement Program(PIP)適用となり、退職の可能性が高くなるそうです)しか与えられていないといいます。
 
※PIPに関してはこちら※
 
では、Hさんが評価2を取り続けながらも、この会社に居続けるためにどんな戦略をとっているのでしょうか?
 
自分の意見は後出しにする、すなわち先に上司に意見を言わせて、自分はヨイショとゴマすりに徹するのは前述の通りですが、驚くのは周囲を味方にする、つまり周囲には「いい人」「相談に乗ってくれる人」といった印象を植え付け、直属の上司に悪い印象や評価をされても、周囲を味方にする戦略を巧みに利用していると言えます。
 
残念ながら、日本企業、外資系企業問わず、社員を評価する、解雇対象にノミネートするといった人事権は直属の上司以外にありません。しかし、解雇対象になる前に周囲に媚びを売っておくことで、いざ解雇を言い渡されても、社内で他のポジションを見つけ、巧みに逃げるということが可能になるのです。Hさんはそれを理解しているのです。
 
我々ビジネスプロフェッショナルは、こんなHさんの戦略に騙されることはないと思いますが、皆さんの職場にも意外と多くいるタイプではないでしょうか??