自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

女性管理職比率8%は少ないか?

ついにゴールデンウィークの最終日がやってきてしまいました。明日からのいつもの日常に戻る決心がつかない人も多いのではないでしょうか?

 

日ごろ家事に、育児に、追われている仕事を持つ女性の同僚の充実した長期休暇の投稿を見ていると、こんな記事が。

sp.yomiuri.co.jp

2020年に管理職比率を30%程度に高めるとする政府目標との差は大きいという主張ですが、8%はどういう意味なのでしょうか?

 

「2020年30%」の目標の実現に向けて | 内閣府男女共同参画局

 

にあるように、内閣府が発表した2020年までに社会のあらゆる分野において、指導的地位にある女性の比率を30%に上げる政策が背景あります。そのうち民間企業についても、法人・団体等における課長職相当の比率を同率の30%に上げることを目標にしています。その30%という目標に対して、女性管理職比率8.3%はまだまだ低いというのがこの記事を書いた記者の意図ではないかと思います。

 

たしかに、一見8.3%という数字は全社員数に対してだと低いように見えます。しかし、女性社員比率に対する管理職比率で見てみると、その数字は34%にも達します。女性社員の3人に1人が管理職ということになります。

 

株主に多くの利益を還元するため、意思決定を早くするためと、組織をフラットにして、管理職の数を減らし、管理職一人が見る部下の数を増やす傾向にあるこのご時世で、3人に1人が管理職になれると考えると、8.3%という数字の見方も変わるのではないでしょうか?

 

もう少し付け加えると、比較対象としての男性の数値を出さないのは妥当性に欠けるとも思います。ビジネススクールでプロフェッサーが「パーセントを用いた資料には悪意が存在する、何に対する比率か考えないのは騙される愚か者」だと言っていましたが、まさに何か意図があるように思います。

 

政府も政府で何も考えずに、欧米の数字をそのまま目標設定したのかもしれませんが、いずれにせよ、目標ありきで、具体的に精査検討もしないでことを進めるのはよろしくはありません。

 

部下を管理することだけが仕事だと考える企業も一部あるようですが、大多数の企業ではリーダであることも求められ、自分の業務だけではなく献身的に部下を育て、チームを引っ張り、業績にコミットすることを求められると考えると、ふさわしい人材がどれほどいるのでしょうか?

 

人事関係者が集まる勉強会や会合に出席すると、多くの企業が同様に頭を悩ませています。女性で、子育てを経験し、人事のリーダーになられた方も多く、話をお聞きすると、こういった女性比率の記事やニュースが流れるたびに、社内評価が低い社員ほど決まって、より女性登用を進めるよう制度改定の実施要求が社内意見箱に投稿したり、より直接的なものだと、自分が管理職にふさわしいという自己アピールメールが送りつけられるそうです。

 

実際、働かない男性総合職より優秀だと評されている女性有期雇用者や派遣労働者もたくさんいます。このように、女性の場合、正規・非正規比率を見ると非正規の率の問題もあります。経済学的に言われているM字カーブの右側に居る女性の多くが非正規を選ばざるを得なくなった背景も考える必要があります。

 

第2節 女性の労働力率(M字カーブ)の形状の背景 | 内閣府男女共同参画局

 

一方で、先日取り上げた女性労働者自身の昇進意欲の問題はあります。

 

ki44fukushima.hatenablog.com

 

こういった問題を抱えながら、マクロ的に無理に女性管理職比率を引き上げようとすることは、能力や意思のない女性も管理職にする事になり、組織にとって大きな問題を生じさせますから、避けるべきではないでしょうか?今でも日本企業にたくさんいる部下なしおじさんの女性版「名ばかり管理職」を増やして外見を整えても、結局男性が女性に変わっただけで、企業にとって何も恩恵をもたらさない可能性あるのではないでしょうか?