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自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

グローバル化、帰国子女。ほんとうに自社に必要なの?

オフィス街のあちこちで、入社したばかりの新入社員の姿が見られるようになりました。そして、一方で3月に解禁された今年度の就活学生の姿もみられます。大学の就職課の方のお話では、今は売り手市場であるものの、多くの内定を得られる学生と、内定ゼロの学生と格差はより広がっているそうです。
 
 
その多くの内定を得られる学生の中でも、特に強いのが幼少期を英語圏で過ごし、国内外の一流大学在籍する帰国子女です。帰国子女である学生は、絶対的な英語力に加え、一流大学に入学する学力を持ち合わせていると判断されることから、企業からの人気は高く、引く手あまただと言われています。
 
 
この帰国子女という言葉は、公式なものでないようで、外務省や文部科学省のウェブにも記載はなく、両省の関係する財団である海外子女教育振興財団
に文言の記載はあるものの、定義は見当たりません。
 
 
よく言われる一般的な見解では、
 
  • 親の海外赴任(会社勤めでない場合も含む)に伴っての海外生活
  • 学齢期に帰国(小学校~高校)
  • 海外に1年以上滞在
 
とされることが多いようですが、中学・高校・大学入試において、各教育機関の独自基準で入試が行われ、その問題難易度は、日本の義務教育をうけた受験問題と比べると遙かに平易だといわれているそうです。
 
 
このような明確な定義が存在していない帰国子女を即戦力として期待し採用したものの、その後思わぬ弊害に悩まされている企業も多く存在するようです。
 
 
実際、あるグローバル企業は、これまで以上にビジネスのグルーバル化を推し進めるという企業目標達成のため、トップの大号令の下、非常に海外経験を重視した採用戦略で、昨年度の新卒採用に挑みました。といっても、ここまではどこかで聞いた話に聞こえます。
 
 
しかし、この企業は、海外育ち・海外大卒の比率をこれまでとはあり得ないほど大幅に増やしすぎたのです(具体的な数値は控えます)。もちろん、全員が海外育ち・海外大卒というわけではなく、わずかではありますが国内有名大卒も採用しています。それでも、7~10年程度の海外在留歴あり、もしくは、留学経験の場合、学位の与えられないホームステイや交換留学といった程度でなく、現地大学の学位とのダブルディグリーという、海外経験豊富な人材を採用したのです。
 
 
これでグローバル化も安泰と思われたのですが、残念ながらこの採用戦略、この企業にはまったく機能しませんでした。理由は、新入社員たちの長すぎた海外経験が原因です。彼らの海外経験があまりにも長すぎため、日本の商慣習どころか文化に対する常識も十分ではありませんでした。敬語もままならず社外からかかってきたお客様にタメ口、メールや社内文書などはひらがなや誤字脱字だらけという状態。日本のビジネスの現場では使い物にならなかったのです。もちろん入社後研修で基本的なマナーなど叩き込まれるはずですが、時間が経つと、やがて長い海外経験が自然と滲み出てしまいます。
 
 
そうした日々の問題を先輩や上司から注意されるにつれ、日本の文化や会社が悪いと批判的になり、オフィスで公然と会社批判や不満をぶちまけるようになります。そして、その先にたどり着くことは皆同じです。入社間もない自分を海外法人に派遣しろと主張し始めたそうです。会社の掟や作法、そして大人の事情を理解しないまま、その主張は自分に都合のよいロジック構築し、会社と対立するようになってしまったのでした。
 
 
こうなってしまうと、やはりその大半が、1年も経たないうちに辞めてしまったそうです。しかし、会社側は焦るどころか、トップや現場、採用を行った人事まで、皆が胸を撫で下ろしたそうです。そして、採用の最前線にいた人事を批判する者は誰もいなかったという・・。
 
 
今週この企業の今年度の新入社員も入社式をむかえました。今年度の審査基準は、海外経験や英語力は評価するものの、以前にも増して、常識と忍耐力、地頭がよいかという基準を重視して選抜されたメンバーだそうです。
 
 
グローバル化には早すぎたこの企業の文化と体制が悪いのか、モンスター化してしまった帰国子女が悪いのか、誰もわかりません。ただ、いずれにしても双方にとって不幸な事だったに違いありません。