自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

仕事ができるのに昇進できない人

仕事ができる=出世と考える人は多いのでしょうか?このように考える人は意外と多く、本人の自覚のないまま、仕事さえできれば、何を言っても、何をしてもいいという組織の困った人になってしまっている人もいます。

 

 

転職求人には、若手採用、中堅採用、そしてマネージャー職採用と色々ありますが、そしてこのマネージャー(管理職)の採用の方法として、すでに他社で経験あるマネージャーを採用するのではなく、担当として採用し、一定期間その企業のカルチャーや業務にフィットすることを見極めてから、マネージャーに昇進させるという方法も多くあります。つまりストックオプションのように、業績を上げたらマネージャーになれるという採用方法です。
 
 
そしてこのような求人をヘッドハンター達は、「あなたなら直ぐにマネージャーになれるから」といって提案してきます。そしてその提案に乗ったものの昇進できず、長年担当を続け結果、キャリアアップできないというスパイラルに陥っている方もいます。
 
 
このような求人に、今の会社にマネージャー候補として入社したRさんは、入社以来期待された以上パフォーマンスを発揮していました。毎年新年度が近づくたびに、いよいよ昇進の内示があるのではないかと内心ドキドキしながら、取り乱すことなくその日を迎えロケットスタートを迎えられるよう、ビジネス知識、英語など日々自己研鑽を続けていました。
 
 
しかし、その日を迎えることはありませんでした。
 
 
それどころか、自分よりも仕事のパフォーマンスが低いと思っていたTさん(といっても、Tさんもそれなりの成果を残していたようです)が、新体制でマネージャーに抜擢されたことで、その焦りと怒りはピークに達します。取り乱したRさんは、上司である本部長をはじめ上層部に噛み付いてしまったのです。
 
 
その噛み付いた内容とは、
・何をどれだけ積み上げれば、昇進するのか明確にしろ!
・昇進、昇給は明確な基準と項目がないと「平等」ではない!
・組織再編の際に「個人の希望」を聞き、反映すべきだ!
 
 
というものでした。「平等」、「希望を聞くべき」と聞いて、??と思った方も多いかもしれません。同じようにRさんの主張を聞いた上層部は、完全にRさんを組織の困った人というレッテルを貼ってしまいます。それは資本主義の元、利益を追求し株主に報いる以上、企業の目標を達成するための組織を作ることを考えるマネージメントにとって、Rさんの主張は、民主主義を取り入れろというものだからです。言いたいことを言うRさんが株主側(経営側)の利益ではなく、従業員の利益のために働かれては困ると考えたのではないでしょうか?
 
 
また、組織や企業がリーダとして抜擢するための基準として、いかに高いパフォーマンスを続けるかではなく、最低水準をクリアしておくことです。その上で、周囲からの人望やリーダーとして適正など総合的に考慮されるわけですが、Rさんはこの部分を見落とし、ハイ・パフォーマンス=昇進すべき人材と考えていたことも問題です。
 
 
とはいえ、組織にとってRさんは実績を出せる必要な人材であることは変わりありません。そのため、マネージャーへの道を閉ざされたも同然のRさんですが、部門にいて欲しいと説得され今の部門に残っています。ただ、マネージャーへの道を外部に求めて水面下で転職活動をしていますが、マネージャー経験が足りず書類選考を一度も通過できません。ここまでかなりの数の企業で落ちています。もう時間はありません。このままプロフェッショナルとして進むべきか、マネージャーとして外に機会を求めるか、決断を迫られています。
 
 
Rさんのように、仕事ができるから上層部にもっともらしい意見を言ったが最後、キャリアアップのチャンスを失うこともあります。企業のゴールはどこにあるのか?そのために上層部は何を求めているのか?組織のリーダーを狙う人材ならば、組織本音と建て前をうまく見極めることも重要です。