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自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

英語話せない日本人 vs 日本語話せない未経験外国人

日本ではなかなか定着しないプロフェッショナルSNSのLinkedIn。パナソニックなど日本の大手企業もリクルーティングツールとして活用し始めたとはいえ、登録者の大半は外資系に勤めるビジネスパーソンです。LinkedInには個人の経歴を公開していることもあり、あれこれ検索して眺めていると転職に関する様々な傾向がわかります。
 
 
例えば、ある外資系企業は、人の出入りが激しく、管理職である本部長、部長、マネージャーから担当者まで2年持てばいい方で、その会社に勤めた人の公開履歴上で、その企業の在籍期間を見ると、ほとんどが1年以内だったりします。
 
 
それだけ人の出入りが激しいということは、マネージャーが退職することで、昇進のチャンスが巡ってくることを意味します。通常このような場合、
 
①その組織配下の担当者が昇進する
②外部からヘッドハンティングしてくる
 
のいずれかが考えられます。①内部で昇進を選択する組織もありますが、目先の利益追及型の企業や変化を求める企業などでは、リーダシップに長けた人材を、②のように外部からヘッドハンティングしてくるということもあります。
 
 
では、外部で最適な人材が見つからなかったらどうなるのでしょうか?通常、①の担当者を昇進させ、少々の時間がかかってもマネージャーとしての経験を積ませることを選択する企業が多いです。
 
 
しかし、この会社は違いました。本部長が業績不振を理由に解雇されて数週間経ったある日、なんの予告もなく社内通知で、該当の部門経験がまったくない、人事採用担当Tさんが就任することが通知されたのです。
 
 
この新本部長に任命されたTさんですが、日本人ではなく、日本在住の英語ネイティブです。多くのLinkedInを使っているヘッドハンターと同じような経歴の持ち主で、大学卒業後、アジア文化に憧れて訪日し、そのまま日本に定住し、英会話スクールのインストラクターをしたり、日本のヘッドハンティング企業で、ヘッドハンターとして働いていました。その後今の会社に人事として入社しました。そのためビジネス経験は、人事、といっても採用の経験しかありません。
 
 
新本部長発表直後、その部門が騒然となったのはいうまでもありません。なぜなら、皆そのTさんに(そそのかされて)入社し、彼が人事以外の経験がないのを知ってたのですから。無論日本法人トップや本社エグゼクティブの選定をくぐり抜けて勝ち取ったわけですが、元々部門に所属するメンバーの中には、次は自分が昇進されるのでないかと思っていた人も多数いたため、相当の動揺が広がります。
 
 
そこで、担当者の一人はTさんの新本部長就任について、日本法人トップになぜ今回の人事に至ったか詰め寄ったのです。

 
しかし、帰って来た答えは....
 
 
「君たち英語できないのに、本社はじめ各国チームと連携できるわけないじゃん」
 
 
ITの進歩によって、本社との電話会議、ビデオ会議など昼夜問わず頻繁に開催されるようになりました。変化のスピードも加速しており、電話会議でうまく伝えられなかった事項を、後でうんうん唸って何時間もかけて作成したフォローアップメールを書いている時間はありません。あっという間に、次の会議がやってきます。
 
 
グローバル化とスピード化時代に、英語ができない点を突かれてしまっては、いくら営業の泥臭さや日本市場の特殊性を知っってると言っても、何も言い返すことができません。
 
 
しかし、英語が話せることを優先した結果、まったく業務未経験の外国人Tさんをトップに据えたことは、話せない日本人従業員の大反発を招きます。結果、その企業は大量の離職者を出し、今や外国人新本部長Tさんは部下なし一人ぼっち本部長として自ら担当の業務までやることになってしまいました。
 
 
英語が話せるけど業務経験のない人、日本語しか話せないけど業務を話せる人。どちらも時代が求める最適な人材ではないのはいうまでもありません。しかし、話せないより話せる人の方が、コミュニケーションが取れる分、自分を売り込むことができます。Tさんは、今いる日本人従業員の誰よりも、潜在能力が高く、すぐに日本市場の特殊性をキャッチアップできることを、採用の意思決定者である本社エグゼクティブに売り込んだのです。
 
 
未だに、根拠のないまま、外資企業や日本企業で国内マーケットを担当する人の中には英語はなくてもなんとかなると考える人がいます。自分のキャリアと上げて行きたいと本当に考え、こういう状況を自らのチャンスに変えるには、外国人のビジネスカルチャーの中で、彼らが何を優先し、どうやったらアピールできるか、どうすれば評価されるかというツボを分析し、実戦的な英語を身につける方が、グローバルビジネスのサバイバルに向いているのではないでしょうか。