自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

会社は誰のものか

ある集まりで、権利ばかり主張する部下に困っているというマネージャー職の方から、「会社は誰のものなんだ?」と質問されました。とっさに、

 

「株主が企業を所有し、支配することから企業は株主のもの。」

 

と答えたのですが、彼の会社の従業員は、決してそうではなく、「会社は従業員のもの」「従業員のために、会社はあるべき」と考えているようだと頭を悩ませていました。

 

念のため、後日、ビジネススクール時代の教科書を再度見直してみましたが、やはり上記以外の答えが見つかりません。

 

日本国内において、何か人事・労働関連のニュース報道がされると、社会活動家、労働組合などを中心に「会社は従業員のもの」という活動が盛り上がったりするので、企業は株主のものという大前提が、捻じ曲げられつつあるのではないかと思ったりもします。

 

さて、このマネージャー職の方が質問してきた背景には、会社の方針として少ない人員でより効率的に仕事に取り組むため、新組織体制を部下に説明した際に、自分の業務量が増えることへの反発や、事前にメンバー全員の希望を聞かなかったことに対してひどく不満をぶちまけられたことで、他社は一体どうなんだと疑問をもたれたことが理由です。

 

従業員は、会社に所属し、その会社がゴールを達成するために皆協働していると思います。その会社が利益を出すため、競争力を上げるため、生き残りのためなど何かしらの理由にために、少ない人数で、効率的に働くことを求めています。そのことは同時に、少ない人数で、これまでよりも多くの業務をこなさなければならないことを意味します。しかし、従業員がその会社のゴールに真っ向から拒否したからです。

 

何も企業も環境を整えることなく、より多くの業務を従業員に押し付けようとしているわけではありません。

 

今日のニュースで富士通がテレワークを回数無制限で導入を発表しました。

www.nikkei.com

 

育休、介護など個人の抱える問題に対し、柔軟かつ効率的な働き方を提供することで、個人の負担の軽減とともに、会社にとっても業務の質を落とさず、より業務成果を上げてもらうことを期待してのことだと思います。同じ考えで、テレワークを導入する企業は近年増加しています。

 

業務効率を上げることで、売上の増加やコストの減少を通じて、企業は利益がもたらされることを期待しています。そして従業員も恩恵を受けることができます。なぜなら、根底にある資本主義は、投資家である株主が投資した会社が成功することを望むという原則の上に成り立っていて、その成功とは持続的に利益を出し続けることであり、結局は、持続的な利益が、顧客、社会、そして従業員の幸福につながると考えられているからです。

 

それでも、企業の周りには、「会社は従業員のもの」と考えるような様々な考えの人々がいます。企業はそんな彼らの主張にも耳を傾け、従業員の意欲を引き出し、パフォーマンスを最大化しようとこのような制度を導入しているのです。

 

グループが大きくなっていくと、その個々人の本来の目的や意図が隠れて見えなくなっていきます。今回話を聞いたマネージャー職の方の職場の権利ばかり主張する部下の面々は、単に楽したい、サボりたいといったものから、昇進の機会の少なさに対する不満といったものまで様々な隠れた目的があるはずですが、それが見えなくなってしまっている状態なのかなと思います。経営サイドの視点と雇われ側の視点。いつまでも折り合わない難しいテーマです。

 

ki44fukushima.hatenablog.com

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