自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

じゃあ、大手エージェントは安心なのか?

前回、外資系エージェントの新卒ヘッドハンターの質について触れました。それでは、電車、雑誌、Webなど様々な広告で転職を促している大手エージェントは、我々ビジネスプロフェッショナルの将来を任せて大丈夫なのでしょうか?

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大手エージェントで転職希望者が関わることになるのは2つのタイプがいます。一人は転職希望者のスキルを測定し、最適な求人を提案するコンサルタントという人々。もう一人は、求人を出している企業を担当する営業であり、応募者にとってはこの人が企業側への紹介プッシュや面接日程のアレンジをお任せすることにます。

 

大手エージェントのWebサイトをのぞいていただくとわかるのですが、さわやかで新卒から30代前半のコンサルタントや営業担当が多く登場していることからわかるように、社会人としての経験が浅いことは否定できません。そして、この経験の浅さは、前回の外資系エージェントの新卒ヘッドハンターと同様の悲劇を我々転職希望者にもたらすことが多々としてあります。

 

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ある事務系プロフェッショナル職につく、Jさんは、大手エージェントから紹介された求人に応募しました。Jさんの経歴は申し分なく、応募直後に企業からすぐに面接したい連絡があり軽々と書類選考を通過しました。

 

通常大手エージェントを活用するメリットは、大手ならではの、その企業がどのような面接プロセスを踏むのか、そして過去の応募者の属性と合否結果、さらには詳細な面接での質問といったデーターベースです。

 

Jさんも転職は初めてではなかったので、面接日程が決まるとポジションを紹介したコンサルタントと応募先企業を担当する営業に、上記のような情報の有無を問い合わせたそうです。応募者としては藁にもすがる思いで自身の内定確率をあげたいという気持ちは十分理解できます。

 

まず、Jさんは、一次面接内容に記載されていた筆記試験はどのようなものかを問い合わせました。代表的な筆記試験にはSPI3がありますが、SPI3には新卒用もあれば、転職者用もあります。さらにはCABとSOCAなどなど様々な種類があります。Amazonに様々な対策本が販売されているように、テストの種類が違えば出題傾向も大きく違います。

 

企業がどのテストを採用しているか外部に公開していないことも考えられるため、ダメもとで聞いてみると企業担当者から「テストタイプはXXです。しっかり対策をしておいてください」と面接前日に連絡がありました。面接前日に連絡を受けたJさん、急いで書店で対策本を購入し徹夜で対策本を一冊こなし面接に挑んだそうです。しかし、蓋を開けてみると、一次面接どころか、選考プロセスを通じて筆記試験が課されることはなく、営業担当者の情報収集力の低さに憤りを感じたと言います。

 

さらに、各面接を終えるたびに、自分のためにわざわざ時間を割いてくれた企業担当者に、当日中にお礼状を出したいと考え、先方の名前(漢字表記)や肩書きなどを確認したく、企業担当者に問い合わせをしたそうです。

 

そして帰ってきた答えは、「先方の名前はわからない。今日、自分は忙しいので、明日宛先空欄で出しましょう」という返事。お礼状そのものが、直接採用に影響がなさそうな気もしますが、少しでも確率を上げたい候補者の気持ちを逆なでするかのような対応にやはり怒りをあらわにしていました。

 

とはいえ、このような大手エージェントの対応レベルの低さに怒りを感じつつも、内定を取れたのは、このエージェントだったからと感謝していたJさん。しかしこのエージェントは内定を得た最後の最後に大きなミスをしでかしします。

 

それはオファーされた年収額を伝え間違えるというミスでした。Jさんの評価が高く、現状年収の30%増し相当のオファーがあったと連絡をしてきました。そしてこれほどの年収増はなかなかないので、オファーを受けるべきだと促します。Jさんは他のエージェント経由で応募していた案件もありましたが、ここまで強く促されたことから内定承諾書にサインしたそうです。

 

しかし、サインして数日後、一通のメールが例の企業担当者から届きます。内容は「年収は30%増しではなく、20%増し相当でした。よろしくお願いします。」年収という大切な情報を間違って伝えておきながら原因の言及、さらには謝罪も言葉もなく、たった数行のメールだったと言います。すでに気持ちは固まっていて承諾書にサインしていたものの、まるで詐欺にあったようだとJさん言います。

 

いつも言いますが、エージェントすべてがこのようなプロフェッショナルとして信じがたいレベルの仕事をするわけではありません。しかし、特に経験が浅い方になればなるほど、このような仕事の質が低い傾向が強いのは否定できません。我々候補者にできることはこのような質の低いエージェント担当者に遭遇した場合には、すぐに担当を変えてもらう、クレームをはっきり入れるなど自衛するよりほかありません。