自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

リストラに選ばれる意外な基準2018

野党が何を言おうと、アベノミクス以降景気は拡大し、世の中は人手不足のニュースであふれています。転職限界年齢が年々上昇しているというニュースもあれば、コンビニはバイトがいなくて外国人を積極雇用、人手不足の外食チェーンは24時間営業を見直しなど、これだけ人材不足と聞いていると、いざ自分がリストラされても簡単に次の職が見つかるのではという錯覚に陥ってしまいそうです。

 

では、人手不足と言われている企業に雇われていると安泰かというとそうではありません。役に立たない人材を解雇し、優秀な人材に入れ変えていく。人材の新陳代謝を活発にし、グローバルでの競争に勝つためのより筋肉質な組織作りを着々と進めています。

 

そうなると、どうやって企業は、組織の中の役に立たない人材の中から、解雇する人材を最終的に選定するのでしょうか?もちろん、企業によってその基準は様々ですが、そのなかでも、今日は欧米流の意外な解雇基準を紹介したいと思います。

 

ある外資系企業の組織に、AさんとBさんという二人の中年男性がいます。お二人とも大学卒業後典型的な日本企業に就職したのですが、この企業が外資に買収したことで、外資系の洗礼を受けた方々です。

 

最年長で50代前半のAさんは、チームのマネージャーが他社に転職したことで、マネージャーに昇進しました。それまで日本市場を担当している以上、英語の必要性を感じていなかったことから、身につけるつもりもありませんでした。しかし外資系では、上位組織のアジアパシフィックとのメンバーや場合によっては自分の上司が外国人ということが多々あります。そこで、Aさんは、大学卒業後30年ぶりに、英語を再開することにし、英会話スクールに通い、半年後には、たどたどしいながらも、立派にコミュニケーションが取れるようになった努力家です。

 

一方Bさんは、次のリストラは自分の番だろと諦めており、自分から何かアクションすること、仕事に対するコミットメントもありませんでした。毎日緊張感がないためか、会議中もウトウト寝てしまい、マネージャーであるAさんから「Bさん、起きてる?(寝るな!)」と注意されるのが日常な人材です。もちろん英語はまったく話せませんし、身につけるつもりは毛頭ありません。

 

ある日この会社でもリストラが実施されることになりました。リストラの内容は、発表の日から1ヶ月以内に退職すること。現在の年収に勤続年数に応じた割増退職金が用意されます。誰を解雇するかは、日本の上位組織のオーストラリア人上司です。さて、この二人のうちどちらか一人指名されることになったと思いますか?

 

英語でコミュニケーションが取れず、仕事への責任感などない、会議中に寝てしまうBさんで全会一致の最有力候補だというのは疑いもないと思います。

 

ところがオーストラリア人上司が選んだのは、英語が話せるように努力したAさんだったのです。そして、その理由は、Aさんなら人材市場に放り出されても、次が見つかる可能性があるからというものだったのです。

 

一般的な日本人に比べ、流暢ではないにせよ英語がビジネスで使えること。さらには外資系企業でのマネージメント経験。この二つのアドバンテージがAさんは、今人材マーケットに放り出されても、必ず次が見つかるという判断からだったのです。

 

一方、Bさんのどうして選ばれなかったのでしょうか?Aさんの理由から判断するとBさんは、人材マーケットで次が見つからないから、会社がBさんの面倒をみてあげなければならないからでしょうか?

 

いいえ、そうではなかったのです。その大きな理由は、Bさんは、割増退職金すら支払う価値のない人材だからというもの。一度リストラが始まると、その一度で済むことはあまりありません。追加で実施されることもありますし、冒頭で触れたように、組織強化、人材の新陳代謝を活発化するため年中実施している企業もあります。そうなると、支払うことができる割増金予算も減っていくことがあります。Bさんはその時に切れば、無駄な出費を減らせるという合理的な判断なのです。

 

私も、こういう事例に当たることは始めてのケースです。しかし、考えてみるとまったく努力しない人間に対する、考え方は合理的かつ徹底しており欧米の考え方と言えなくもありません。いずれにせよ、我々は、リストラ候補に選ばれないためではなく、グローバルに活躍できる人材として日々努力を重ねたいところです。