自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

無能なヘッドハンターにキャリアを潰された人

転職活動において、募集要項(Job Description)は、採用側が求めるスキル、人物像が記載された大切な情報源であることはこれまでお伝えしてきました。

 

募集ポジションの業務内容、求めるスキル、求める人物像など、それぞれの項目で記載されている内容は、あなたの上司である(Hiring Manager)や所属部門が求めているものを記載しているからです。求めている内容に合わせて、棚卸しした自分の強みを強調しながら、応募書類を作成することは、書類選考を通過するための最も重要かつ基礎的な対策です。

 

同様に面接においても、自身の応募書類にそって質問を投げかけられるわけですから、自分の話したいようにテーマを誘導できるように、シナリオを想定しながら書いていくのは、内定オファーを勝ち取るためのテクニックです。

 

今、都内で地下鉄の乗車扉には、ある転職エージェントの次のようなコピーが書かれた広告が貼られています。

 

「あ、私のキャリアでも受かる可能性があるんだ。転職には対話が効く」

「そうか、だから転職したかったんだ。転職には対話が効く」

「なるほど、面接で伝えるべきはそっちか。転職には対話が効く」

 

これだけ読むと、この広告主の転職エージェントのコンサルタントなら、難しそうな一流企業でも後押しして入れてくれそう、自分のことがなんとなくしかわかっていなかったけれど自己分析までサポートしてくれそう、何を答えるべきか手取り足取り教えてくれそうと思わせる絶妙なコピーです。

 

しかし、現実は、エージェントは相変わらず、事務処理屋のままです。たしかに初回カウンセリングの際には、コンサルタントらしい業界トレンドや他の候補者の成功事例を説明します。でも、最初だけなのです。

 

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ここに、エージェントから紹介される候補者がまったく期待値に満たないと嘆く某企業のマネージャーは、募集要項に記載されたキーワードにかすりもしない内容が延々8ページ続く、職務経歴書がエージェントから送りつけられて来たとのこと。自分達の希望事項をまったく叶えず、相手に配慮のないエージェントに怒りを覚え、以降そのエージェントからの紹介はすべて断ることにしているとのこと。

 

では、その募集要項はどのような内容だったのでしょうか?

マーケティングのトレンドであるデジタルマーケティングの経験5年以上

Google Analytics, Adobe Analyticsなどツールを扱えること

SEOでの豊富な経験

などなど、デジタルマーケティングスペシャリストを求めている内容になっています。

 

これに対し、その8ページににわたる履歴書の主が書いた内容を要約すると、

・地方国立大を卒業し中堅IT企業に入社し、営業を経験

・営業で成果を上げ、アジアにおけるサービス拠点の責任者に抜擢

・現地で事業立ち上げやM&Aを経験

という経験でした。募集要項にあるデジタルマーケティングとは、まったくかすりもしない、8ページにわたる職務経歴書を読まされたわけですから、2ページ目を読む前にシュレッダー行きになったのは仕方ないでしょう。

 

この応募者は確かに豊富な経験をお持ちです。しかし、事務処理屋以下の仕事しかできないコンサルタントに当たってしまったばっかりに、候補者のスキルにマッチしないポジションにばかり応募させられ、ミスマッチの機会ばかりを増やし、コンサルタントにとっても書類落ちを繰り返すダメ候補者となり、誰でも合格しそうな企業への応募へと仕向けられるのです。無能なエージェントが、豊富な経験を持つビジネスパーソンの経歴を潰してしまったと言っても過言ではありません。

 

年末年始は採用活動はスローダウンします。この長期休みの期間に自分自身でJDをもう一度読み直し、職務経歴書を書き直して見ることをお勧めします。エージェントは本当に頼りになるプロを見つけるまで、彼らとの”対話”をあてにしないほうが得策でしょう。

 

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