自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

中国系企業で働くというオプション

これまで外資系企業で働くことについて、何度か取り上げてきました。その外資系企業は、主に米国系や欧州系など、いずれも西洋文化の考え方に基づく企業が中心でした。

 

しかし、最近経済ニュースで取り上げられるのは、何も米国系、欧州系外資系企業ばかりではありません。経営判断ミスやそもそも無策だったのために経営危機に陥り、外国企業の買収される日本企業のニュースは後を絶ちません。特にここ最近、その買収先企業として存在感を増しているのが中国(台湾)企業です。

 

直近ですと、あの日本の名門企業自身や、一部の部門が中国企業傘下に入っています。

 

東芝からテレビ事業を買収する中国家電大手の海信集団(ハイセンス)

www.toshiba.co.jp

富士通のパソコン事業を買収する中国パソコン大手のレノボ

pr.fujitsu.com

 

一体、このような中国企業で働くというのはどういうものなのでしょうか?

 

そこで、まだまだ情報の少ない中国企業に所属し、今もなお活躍し続ける方々に、働き方、出世、報酬などなど様々なお話を伺ってみました。その中でも今回は、買収後の新会社において、外部からヘッドハントされ入社したエリートと、買収された日本企業出身者との間の確執について共有したいと思います。

 

外部からヘッドハントされ入社したエリートはどんな人

中国企業は、欧米系外資系企業に比べて、さらに数字と結果に強いコミットを求められるそうです。そのプレッシャーは想像に耐えられないほど厳しく、2四半期(半年)で結果を出せない場合、マネージャーや事業責任者の場合、即解雇されることもあるそうです。そのため、そのくらいのストレスものともしないメンタルを持ち合わせている方が多いそうです。

 

では、そのストレス耐性を武器に、結果さえ伴えば良いかというとそうでもなく、学歴や経歴も重要視され、個人のブランディングも重要だと言います。マネージャーや部門責任者をはじめ要職には、外資系経験のあるMBAホルダーや、マッキンゼーやボストンコンサルティングといった戦略コンサルティングファームコンサルタント経験者が多く、履歴書上見栄えの良さも必要だと皆さん口を揃えます。

 

部門やチームを動かしリーダシップを発揮する人々の年齢層は、50代を過ぎるシニアよりも、20代後半から40代前半が多く、30歳前にジェネラルマネージャーとして部門を統括する人もいれば、中国本土やアジアパシフィックを統括する役職に抜擢される人も多いそうです。

 

このように短期で成果を求められる一方、見返りとして一昔の西欧外資系よりも短期でポジションや報酬も期待できることは非常に魅力的だと言います。

 

買収された日本企業出身者はどうしている

ここであえて詳細を述べるまでもありませんが、これだけ短期間で数字と結果を求められるわけですから、このスピードについていける日本人はほとんどいないそうです。

 

一部、被買収企業内においてある程度評価が高く、自分はできると思っている方もいるそうなのですが、中国本社やアジアパシフィックの上位部門の幹部からみると、すべてにおいて平均以下のクオリティだと言い、とても使えるレベルではないと見られているそうです。

 

同様に、一般的な被買収企業出身者は、生産性が低く、常に不要な人材として見られているとのこと。そのため、彼らにできることと言えば、弱者同士一致団結し、どんな些細なこともでも情報共有し、いずれやってくるであろう大リストラに備えること。そして、従業員満足度調査のような社内アンケート調査がある場合には、自由記入欄に「自分たちの存在を軽く扱うな」と記入し、マネージメントにモノ申すことが最大限の抵抗だと言います。

 

中国企業で働くことは、トクなのか?

これだけ対極的な2つのグループが一つの会社に存在するわけですから、買収された日本企業出身者との確執があるというのは、分からなくはありません。しかしながら、今後中国企業の存在感はますます増すことは確実であり、西欧外資系企業よりも、より強烈な中国系企業での成長の機会というのも、短期成長及び成功を目指すオプションとして、我々ビジネスパーソンとしては考慮すべき選択肢の一つなのかもしれません。