自分ブランドの磨き方ブログ

MBA、コンサル、本当に自分に必要?今の自分のブランド力で何ができるのか? 何を準備すべきなのか? 私自身の経験やさまざまな人たちとの交流を通じて、気づきなどをシェアして行きます

エリート男が耐える「逆セクハラ」の被害

セクシャルハラスメントと言えば、男性が女性に対して性的な言動をとり、女性に被害を与えたり、職場環境を悪化させることを思い浮かべるのではないでしょうか?厚生労働省を始め監督機関の出版物においても、その事例の大半は、男性から女性に対するセクハラ事例です。

 

しかし、近年増えてきているのが、いわれる逆セクハラです。『逆』が意味する通り、『男性』が被害者となるセクハラです。近年女性管理職が増えたこともあり、多くは女性の上司から、男性の部下が受けるケースが多いといいます。

ki44fukushima.hatenablog.com

 

よく誤解されるのですが、男女に対するセクハラの定義は、性的な言動にとどまらず、『相手が不快と思う言動全般』であることは変わりありません。

 

ある企業をお邪魔した際、管理職についたばかりの女性マネージャーNさんの言動が話題になりました。Nさんはこの春マネージャーへの昇進の機会を得ました。年齢は40歳過ぎ、家族はおらず独身、周囲からも仕事は評価されていたのですが、組織内における言動に問題があったようです。

 

問題というのは、自尊心や自己愛が猛烈に強く、自分の思いどおりに行かないことがあると途中で放棄したり、上司に楯突いたり、自分より優秀な人物には大勢の前で自分の優位性を見せつけるためちょっとしたミスでも徹底的に個人を人格攻撃したりと周囲から煙たがられる存在でした。その言動があまりにも酷いため、パーソナリティ障害など精神疾患の可能性も視野に、人事部も要注意人物としてマークしていたといいます。

 

そんなNさんですが、部門の慢性的人材不足と自身は仕事ができることから、部門長の苦渋の判断からマネージャーに昇進してしまいます。周囲は史上最大の判断ミスだ!と悲鳴を上げるものもいるほどの衝撃的な事件だったようですが、Nさん本人は自身の自尊心が満たされたことで、上述のような言動は治まり、昇進直後はしばらく上機嫌だったそうです。

 

実は、Nさん自身、結婚できないことに負目を感じながら、キャリアを追求し家族に縛られない人生を謳歌している自己像を確立し、当たり前の人生を送っている友人や同僚を羨ましがらせることで、自尊心を保っていたようです。

 

ところがしばらくすると、マネージャーという地位を得たことで、この高い自尊心が暴走し始めます。やがて、自分の天下がやってきたとばかりに、企業組織ではありえないような傍若無人な振る舞いに発展して行きます。

 

「結婚はできないんじゃない、したくないんだ」「自分は何歳になっても遊んでいられるんだ」という思いが、社内でも暴走し始めたのです。そして遂にそれは若い男性社員に対するセクハラという形で明確に表れ始めます。

 

一般的に逆セクハラの例として挙げられる

  • 目のやり場に困るような、胸元が大きく開いた服を着る
  • 彼女・奥さん(との関係)について、執拗に聞く
  • 飲みや食事、休日のデートを強引に誘う
  • 女性から身体の一部に触らせる
  • プロジェクトなどにお気に入りの男性を無理やり入れる

と言ったことは軽がると犯し、プロジェクトに入れた20歳も年の離れたお気に入り男性がチームミーティングの際中に、見当違いなことを言ってしまっても「かわいいから、中身はどうでもいいわ。赦しちゃう」という発言を聞いた周囲はいよいよ見てられなくなります。

 

そして遂に、報復を恐れていた男性社員本人ではなく、チームの他のメンバー連名で人事部へ通報することになります。

 

かつては『男性』から『女性』に対しての言動のみが、セクハラと認識されてきましたが、2007年に施行された男女雇用機会均等法が施行されたことで、「男性・女性から男性」へのセクハラも禁止対象として明文化されるようになりました。

www.mhlw.go.jp

 

上記リンクにもあるように雇用管理上で必要な措置をとることが、企業側に義務付けられています。この会社は、以前から女性へのセクハラは理由がどうであれ一発アウトという厳しい対応を取ることで有名だったため、周囲も相当の処分が下されることを期待していました。

 

しかし、Nさんの若手男性へのセクハラについては、注意も処分もなしという結果に。公の理由は、女性から男性へのセクハラは事例が少なく被害を確立できないこと、被害男性からの通報ではないことなどなど、女性へのセクハラ対応とは全く異なり、Nさんは何もお咎めなしでした。

 

人事部への通報があったことなど知らないNさんは、ますますエスカレートしていきます。若手男性社員を喜び組と称し、自身が主催する飲み会へ強制参加を義務付けています。様々な職場の問題に積極的に取り組んでいるイメージのあるグローバル企業でも、このようなことが起こっているのです。ほんとうに職場の問題を解決したいのか?単なるイメージアップのためなのか?どちらなのかと問い正したくなります。